ダム不要論を糾す ー八ッ場ダム建設中止は天下の愚策ー
髙橋定雄/唐澤仁士/木暮陽一 共著・建設人社編


定価(本体1,500 円+税)
発行日 2011年3月14日 (初版発行)


四六版 並製本 243ページ


著者 髙橋定雄/唐澤仁士/木暮陽一

発行人 津田靖志
発行所 株式会社建設人社


編集・制作 株式会社建設人社
印刷・製本 真生印刷株式会社

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内容紹介

ダムを無理やり退場させれば、総合的治水対策はあえなく頓挫し、堤防嵩上げのオンパレードになるだろう。治水の命題に反して河川水位を上げることは、天に唾を吐くに等しい。幾たびの洪水による苦難の歴史を経て積み重ねてきた先人の治水への知恵と努力を、一部の人々の偏狭な価値観で水泡に帰すようなことは断じて容認できない。

「できるだけダムにたよらない治水」は間違いである。私達が目指すべきは「できるだけ堤防に頼らない治水」なのである。

筆者らは、巷に瀰漫する「ダム不要論」に近代治水の崩壊の危機を感じている。そして、八ッ場ダムに対する強引なまでの建設中止への流れに憤りを感じている。これらを正さなければ、日本の河川行政は取り返しのつかない損害をこうむることになる。河川行政に永らく身を置いたものとして、将来世代への贖罪との思いで、敢えて拙文を省みず、ダム不要論を糾すことを決意した。ダムに関して横行するあまりにも非常識な議論を正すきっかけの一助となれば幸いある。

(本書「はじめに」より)

目次

はじめに

【第一編】 八ッ場ダム建設中止は天下の愚策
第一章 八ッ場ダム建設中止を糾す
第二章 日本が法治国家であることをよもや忘れた訳ではあるまい
第三章 淺川ダムで一体何を学んだのか?
第四章 有識者会議の「中間とりまとめ」を考える
第五章 ダム不要論者に問う
第六章 ダムで豊かな未来を切り開け

【第二編】八ッ場ダムがもららす恵みは計り知れない
第一章 それはカスリーン台風の苦節を乗り越えて企画された
第二章 それは東京大渇水の苦節を乗り越えて企図された

【第三編】八ッ場ダムに流布する風説を検証する
第一章 治水効果に対する風説
第二章 利水効果に対する風説
第三章 環境その他に対する風説

おわりに
巻末資料1
巻末資料2

著者紹介

髙橋 定雄 (たかはし さだお)

昭和24年 横浜生まれ。
昭和48年 中央大学理工学部土木工学科卒業

建設人客員論説員、河川政策調査会会員、技術士(河川、砂防および海岸)

著書:いわれなき公共事業批判を糾す(建設人社)、河川工事ポケットブック(山海堂)等

唐沢 仁士 (からさわ ひとし)
昭和25年 長野県生まれ。
昭和46年 攻玉社短期大学土木工学科卒業、河川政策調査会会員、技術士(河川、砂防および海岸)

木暮 陽一 (こぐれ よういち)
昭和26年 群馬県生まれ。
昭和48年 前橋市立工業短期大学卒業、河川政策調査会会員、技術士(総合技術管理部門、建設部門(建設環境))